宗祖親鸞聖人(しんらんしょうにん)は、師である法然上人(ほうねんしょうにん)との
出遇いをとおして、阿弥陀仏に帰依きえして「南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)」と称えることが、すべての人に開かれた平等な救いの道であるといただかれました。
聖人は、生涯にわたる聞思もんしのなかで『顕浄土真実教行証文類
(けんじょうどしんじつきょうぎょうしょうもんるい)』(教行信証)を撰述し、その教えを
「浄土真宗」と顕あきらかにされました。浄土がまこと(真)のむね(宗)である、浄土こそがほんとうの依りどころであるということです。
浄土は、日ごろのわたしたちの欲望に左右されることなく、どんな状況でも変わらず、
失われることのない依りどころです。また「南無阿弥陀仏」のお念仏は、
いつでも、どこでも、だれでもできる、普遍の仏道です。
苦しみ、悲しみ、悩むわたしたちは、浄土を願いお念仏を申すことで、
人として生まれ生きていく意味、すべての人々とともに
今生きているということを知らされるのではないでしょうか。